オークランドの倉庫の火事とビルディングコード

 こんにちは。 米国不動産、サンフランシスコ不動産の高橋初未です。 今回はオークランド市で起きた年末の悲しい事件と不動産のお話です。

オークランド市の幽霊船と呼ばれている倉庫の大火事17歳から35歳の男女合計36人の命を奪ったショッキングな事件。 犠牲者とそのご家族に心よりお悔やみ申し上げます。

日本語の詳しい記事は12月5日付の

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161205-00000014-jij-n_ame

今日のニュースでは冷蔵庫が出火元だったという話ですが、冷蔵庫は比較的新しいという話も出ていましたが、冷蔵庫ではなく、未だに原因はわかりません。

この責任は 倉庫のオーナー、オークランド市、または又貸ししていたテナント大家なのか?とこれから調べることになりますが、いづれにしてもビルディングコード及びゾーニングを無視した倉庫の使い方が今後の焦点になり、その責任は倉庫のオーナーが契約違反であるとテナント大家に注意を促さなかった怠慢なのか、オークランド市の検閲の怠慢なのか、はたまたテナント大家が倉庫をスタジオとして使用する契約を無視して勝手に又貸しして住居として家賃収入を得ていた、そして勝手にコンサート会場としてミュージシャンに使わせていたなど論争点満載の事件です。 

この辺りは倉庫と住居が入り組んだ地域で地域指定されてるZoneは住宅地と商業地区が入り混じっているところです。Zoneも時代の流れとともに変化していきます。例えば30年前は商業地区だったところが衰退して、そのうち住宅地になり、まだ商売している場所だけが特別商業地区として続けられるというのもあります。

今回のケースは倉庫の隣は住宅ですが、この倉庫は商業地としてビルディングコードも倉庫としての使用のみとなっていました。 ゾーン、ビルディングコードは環境、火災、安全性などが基準となり、この倉庫は倉庫以外の使用目的は禁じられていました。 

特に住宅目的で使用するというのは消防法にも引っかかるので許可が下りていませんでした。

倉庫のオーナーが実際テナントとどのような契約をしたのかが興味深いところです。倉庫のオーナーが一人のテナントだけと契約した場合、又貸しすることに関しての条件を容認していたのか、禁止していたのか、また禁止していたにもかかわらず住宅としての又貸しが発覚した時にどのような対応をしたのかによりオーナーの責任が問われます。もちろん又貸ししたテナントの責任は免れないと思いますが。。

さらにコンサート会場として使用している場合はそのビルの許容人数及び緊急用出口などの規制コードがあり保険のことも絡んでくるので、それらを全く無視して勝手に使っていた上、火事で多く命が奪われ取り返しのつかない結果になってしまいました。 

ここでオークランド市がなぜ責任を問われるかというのは、住宅として使用されて、ガラクタが放置されている状態、コンサートはしばしば開催され住民からも苦情が出ているにもかかわらず、行政がしかるべき措置を取っていなかったという点です。

近年の家賃が激高になりアーティストたちが払える賃貸物件がないため、安くで住めるという幽霊船倉庫に貧乏アーティストが集まってきたという話でこのアーティストたちは第二テナントですので、第一テナントと倉庫のオーナーとの契約内容は知りません。

今後どうなるかと予想するならば、倉庫は丸焼けになったので、全部潰して、ゾーニングを新たに申請して住宅地に変えて、アパートまたはマンションが建てられ、高い家賃で賃貸されるか、マンションとして売り出されるかになるでしょう。 ゾーン、ビルディングコードはそれなりに意味があるので、それを無視した使用方法が大惨事を招いてしまいました。

亡くなられた方はそんな事情を知らないコンサートの参加者ばかりでした。

改めて心よりお悔やみ申しあげます。





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